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Vol.9 経営者はCSRの執行者でなければならない
CSRとは、Corporate
Social Responsibilityの略であり、日本語では、「企業の社会的責任」と呼ばれる"企業経営における一つの概念"である。
言うまでもなく、いかなる企業体も、"社会の構成員"としての自覚と責任を持つことが極めて重要である。個々の企業体は、社会の構成員として、株主、消費者、社員、地域住民などに対して明確な利害関係を持っている。それ故、企業体は、社会的貢献を行うために、法令を遵守し、自ら"社会的公正の執行者"とならければならないわけだ。
現代における日本のビジネス社会では、「企業法務の整備」がどんどん進んでいる。多くの企業体は、法務部を設置、あるいは、法務担当の社員を配置している。つまり、企業体は、企業経営をよりリーズナブルに、そしてより円滑に行うために、"インハウス・ロイヤー"(in-house
lawyer、社内における法務担当者)を積極的に雇用しているのだ。
私は、企業が最もエネルギーを注がなければならないことの一つは、「コンプライアンス」(compliance、法令遵守)の問題であると考える。これは即ち、「会社組織、社員にかかわらず、それぞれが法を遵守し、正しい経済活動を行っているか」という問題である。
言うまでもなく、この問題は、"企業経営における柱"ともいえる極めて重要な問題である。時として、法を守らない企業体の行為は社会的に大問題となる。問題の生じ方、事の成り行きによっては、まさに"組織の進退"にかかわる問題となることさえあるのだ。
実際、これまで多くの企業が、法を守らなかったために社会的責任を問われ、<法による制裁>を受けている。このことは、「正しい経営を行うためには、一にも二にも社会通念に則した経営理念、つまり、"法を守る"という精神が根底になければならない」ということを意味しているものだ。
「正しい経営をすれば、正しい社会貢献ができる。
そして、経営者も社員も、それぞれ"価値ある社会的存在者"になれるのだ。」 |
今、私が日本の経営者に述べたいことは、「とにかく"正しい"会社経営を行うべきだ」ということである。経営者が、自らの会社を正しく経営するよう努力するならば、個々の社員の心の中には、「自分は仕事を通して社会に貢献している」というポジティブな意識が生まれ、仕事に対する「やる気」が出てくる。その反面、経営者が法を顧みず、違法性のある経営をするならば、社員の士気は落ちていくものだ。
結局、法を遵守して会社経営をすれば、正しい方法で会社が繁栄し、その利益は、経営者にも社員一人ひとりにも還元される。そして、個々の企業体は、その利益を通して、何らかの方法で社会的貢献を行うべく、自ら"社会的公正の執行者"となることが求められているのである。
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