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Vol.10 セールスの達人は「1秒のリズム」で勝負する
<いい結果を出す営業マン>として価値のある時間の使い方をするためには、毎日の一瞬一瞬を「リズム感のある時間の過ごし方」をすることを心掛けるべきであると私は考える。 この、リズム感のある過ごし方とは、時間に対する感覚を、より厳粛に、より深く認識して過ごすということであり、「過ぎ行く1秒も意味のある1秒である」という認識を持つことだ。
言うまでもなく、「時間」は、我々人間に永遠に与えられているものではない。天文学的に言えば、時間そのものは半永久的に刻まれるとしても、我々人間は生身の動物である。近代医学の進歩の恩恵を受け、人生80年ともいわれるが、「その80年をどう生きるか」で人生のダイナミズムは大きく変貌する。
ここではまず、仕事人生における「1分」という時間的空間について考えてみたい。
普通の人であれば、「1分は、1時間の中における<取るに足りない些細なモーメント>である」という認識を持つのが一般的である。しかし、仕事をしている時、とりわけ営業マンとして顧客とコミュニケートしている時には、「1分という時間的空間をどのように捉えるかで営業の命運が決まる」と思って間違いないだろう。
営業は、「リズム感」が命だ。営業先(取引先)において、自分の会社の商品を売り込むための時間的空間は限られている。だから、そうした限られた時間をどう使うかという問題は極めて重要な問題だ。そして、言うまでもなく、顧客の前で、限られた時間の中で商品についてスマートに説明したり売り込むためには、まさに「1分1秒を大切にする」というポリシーが営業の行く末を左右することになる。
例えば、営業における商品のデモンストレーションでは、1分は単なる60秒と考えるのではなく、「1秒が60回もある」という発想法がポイントとなる。相手とのコミュニケーションにおいて、<1秒単位>で相手の「言葉の使い方」「顔の表情」を鋭く観察し、「相手がどのような心理状態なのか」ということを鋭く見抜くことが、営業でいい成果を出すプロセスにおいて極めて重要な要素となる。
概して、人間の感情というものは、はっきりとした言葉として表現しなくても、(1)「返事の仕方」、(2)声の張り、(3)「目の表情」、(4)「眉毛の動き」などである程度は相手の意思が読めるものだ。実際、業界において<やり手の営業マン>と言われている人は、闇雲に愛想笑いをしてデモをするだけではなく、それと同時に、相手の「心の動き」を鋭くキャッチできるように常に相手の細かい動作を見ていることが多い。
欧米企業における<営業の達人>も、「顧客を知らずして商売はできない」という基本スタンスを持っている。これは顧客としての相手企業の特徴を知るということだけではなく、「売り込もうとする相手の心理が読めなければスムーズには売り込めない」ということを意味しているものだ。
結局のところ、営業の命運は、「訪問先企業の担当者とのコミュニケーションをいかにマネージするか」で決まることが多い。いい結果を出す営業マンは、1日24時間をどのような方法で使うかというアイディアだけではなく、このように「リズム感のある仕事ぶり」を勝負の秘策としている。そして、そのリズム感とは、まさに「1秒単位のリズム感」なのだ。
実に、「1秒単位で、相手の言葉の使い方、声の張り、顔の表情などを鋭く観察し、相手の心理状態に応じた妥当なコミュニケーションを図ること」こそがトップセールスマンとして君臨するための秘策といえるのだ。
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