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Vol.11 プロのエンターテイナーから学ぶ「自己表現を高める方法」
聞き手にとって魅力的な話し方をするためには、「普通の人間が一体どのような話に魅力を感じるのか」ということを研究しなければならない。話の中身自体については、「テーマとする内容をどう伝えるか」ということが問題となるが、言葉というのは実に不思議な代物である。同じことを伝えるにしても、表現する方法如何で、そのニュアンスや印象度が大きく変わってしまうことがある。そして実際、公の場でもプライベートの場でも、「話し手の表現次第で、聞き手の感じ方が大きく変わる」ということがしばしば起こり得る。
テレビの料理番組において、タレント(リポーター)が訪れた店の料理を食べるシーンを観る時、一番面白くない表現といえば「美味しいですね!」というコメントである。
そもそも、訪れた店は、わざわざテレビの企画番組で紹介するほどの店であるから、その店で食べる料理は美味しいに決まっている。食べる本人がタレントではなく"ずぶの素人"であれば、美味しいものを食べて「美味しいいですね!」でもよい。だが、かりにもエンターテイメントの世界で持ち前の「個性」と「表現力」で勝負しているタレントであれば、そんな当たり前のコメントをしても仕事にはならない。
では、タレントは一体どのようにその仕事を全うしなければならないのかというと、それが「いかに美味しいのか」という問題意識を持って、エレガントに、しかも豊富な語彙力を駆使して斬新な表現方法でコメントしなければならない、ということになる。
思うに、大切なのは言葉だけではない。食べる時の「顔の表情」はもとより、「口の開け方」「味わい方」「噛み方」「間の取り方」「目を輝かせるタイミング」など、店を取材するプロとして第一級の表現力が求められる。
実際、人気のあるタレント、息の長いタレントは、そうした表現力を養うために、力量のある他のタレントの表現方法を研究したり、本や雑誌などで"ピンと来る表現"、"使える表現"をチェックし、プロのエンターテイナーとして「自己啓発」「自己表現力の強化」に奮闘している。
むろん、一般のビジネスパーソンでも、しばしば人前で話をする機会がある人の場合においては、このような表現力を養おうとする努力が必要となる。このためのショートカットとしては、日頃からテレビを観たりラジオを聴いたりする時、あるいは本を読む時、「これはいい表現だ。是非とも、自分が話す時にも使ってみよう!」と感じた時、即座に手帳などにメモすることだ。このような経験を積み重ねることによって、「気の利いた表現」「自分好みの表現」を少しずつ増やすことができるのだ。
ふだんから何も考えないで生活していると、他人を感動させる表現というものはなかなか身に付くものではない。しかし、自分自身の心掛け次第で、毎日の生活の中で徐々に「使える表現」と出会うことが可能となり、その表現を自分のものとすることができるのだ。
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