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Vol.19 「哲学」「コミュニケーション」「ビジネス」における相関関係
昨年12月末、クリスマスも終わり仕事納めをする会社が多い中、利根コカ・コーラボトリング株式会社の執行役員・営業副本部長、浅野賢一氏とお会いする機会を持った。ご面会においては楽しい時間を過ごすことができ、私自身、色々な意味で学びの場ともなった。お会いした理由はある案件について話し合うためであったが、その話し合いの中で、「ビジネスにおいてはコミュニケーションが一番大切だと思いますが、一体どのような方法で社員教育をしたらよいのでしょうか」という質問が出た。
このコミュニケーションの問題は、私自身、現在の執筆活動において大きな柱の一つとしているものである。私は、近年における執筆活動においては、3つのキーワードを軸として文章を書いてきた。それは何かというと、下記のものである。
(1)「哲学」
(2)「コミュニケーション」
(3)「ビジネス」
今、このコラムを読んでいる人の多くは、この3つのキーワードのうちでは「ビジネス」に最も関心が深いと思われる。それ故、ここでは、この3つのキーワード、(1)「哲学」、(2)「コミュニケーション」、(3)「ビジネス」において一体どのような相互関係があるのかという問題について、まず第一に「ビジネス」というキーワードから説明を始めることにしたい。
巷では、「ビジネスを成功させるためには○○が必要である」と様々な観点から述べられている。言うまでもなく、どんな企業体にもいても、取り組むビジネスを確実に成功さるためには、リサーチにリサーチを重ね、「"生き物"のように変動するマーケットを見据えたビジネス戦略」を構築することが必要となる。
だが、実際、それだけでは不十分である。では、他にどんなものが求められるのだろうか。
その一つは、ビジネスを遂行する人間自身における「優れたコミュニケーション能力」である。
この"経済社会"は、基本的に「人間と人間の交わり」で成り立っている。
国内外のいかなる会社においても「組織を大切に!」という言葉をよく耳にするが、実際問題として、"組織"という代物は人間の集合体であり、個々の人間(社員)がそれぞれ自分の労働力を提供して会社組織を繁栄されているわけだ。
さらに、このラインで話を続けるならば、
「コミュニケーションが会社組織を維持し、コミュニケーションが会社を繁栄させる」
と断言してもよいだろう。
また、当然のごとく、ビジネスパーソンが根回し・交渉・契約を行う際、あるいは、市場において企業体が独自の商品・サービスで勝負する際、「その遂行者が妥当なコミュニケーション・スキルを備えている」ことは必要不可欠の要件だといえる。
ここまでの話は、多くのビジネス書で述べられていることだが、優れたビジネスパーソンになるためには、ただ単にコミュニケーション上のスキルを備えていれば十分であるとは私は考えない。
これを具体的に言うならば、コミュニケーション・スキルは、単に、妥当なコミュニケーションを図る上での"道具"である。地に足の着いた考え方をすればすぐに導き出せることであるが、たとえ、ビジネスにおける話し方・コミュニケーション術がどんなに優れていても、伝えようとする"中身"がなければ何ら意味をなすものではない。
つまり、コミュニケーションにおいて必要なものは、伝える道具としてのコミュニケーション・スキルだけでなく、「伝えようとする中身そのもの」を充実させなければならないということだ。伝えようとする中身を充実させるためには、「常に物事を客観的に捉え、いかなる案件についても理性的に判断する能力」を備えていなければならないが、この能力を養うために「哲学」が必要となると私は考えるのである。
あなた自身が、会社組織で働く人なのか、あるいは、経営者として経営管理・組織統括を行う人であるかにかかわらず、この経済社会において何らかの経済行為を行う以上、「一個のビジネスパーソンとしての哲学」が必要となる。会社組織で言うならば、このことは「経営理念(哲学)」と呼ばれているものだ。
企業は今、広く社会貢献をすることが求められている。企業は、単に自らの利益のみを追求するだけでなく、直接的にも間接的にも組織体に関わるあらゆる関係者に対して利益が生じるよう最善の努力をすることが求められている。この問題は、現代の日本のビジネス社会におけるCSR(corporate
social responsibility, 企業の社会的責任)が見直されようとしている中、極めて重要な問題であるといえる。
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