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Vol.20 <裸の王様>になってはいけない
世の中には、実に様々な能力を備えた人間が存在する。
自動車のメカに詳しい人、ピアノが上手な人、ラーメン作りの名人、
フランス語が堪能な人、経済に詳しい人など、様々なナレッジ・スキルを持っている人がいるものだ。
思うに、自分自身が熟知しているその分野においては、
「自分のナレッジとスキルが求められている」という大前提の下であるならば、
どこへいってもある程度は通用するに違いない。
ところが、そうした特定分野についてプロ並みの能力を備えている人であっても、
これまでの人生において何ら経験したことのない分野や場所に飛び込むことになると、
さまにそこは"新境地の場"となってしまう。
私は、「人間は皆、これまで知り得なかったスポットに立たされた時に初めて、自分自身の非力を知ることになる」と考える。人間は、自分を認めてくれる世界において意気揚々と生きることができても、ある日、それとは全く別の世界に飛び込めば、「自分はいかに世の中を知らなかったのか」「自分はいかに狭い世界の中で空威張りしていたのか」という、極めて重要な問題に気づき始めるのだ。
私は、人間の人生は、そうした、(1)「自分自身の非力を知ること」、(2)「自分自身の無知を知ること」の積み重ねを通して、徐々に自分自身を高めていくことができるものだと考える。
具体的に言うならば、ローカルな狭い世界で「私は偉い人間なんだぞ!」と威張ることこそ、実に愚かな行為であるといえる。そう考えれば、人間は誰でもある種の「裸の王様」になる可能性を持っているといえるのではないだろうか。
ここで一つ提案したい。それは一体何かというと、人生を生きる上での一つの指針として、「自分は、裸の王様にだけはなってはならない」というポリシーを掲げてみることである。このようなポリシーを持ち続ければ、自分がどんな環境におかれようとも、常に客観的な立場に立って、冷静に、そして謙虚に生きていけるに違いないのだ。
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