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Vol.26 「哲学」「理念」を養う社員教育の必要性
この経済社会では、「人材が会社を繁栄させる」とよく言われています。これにはいわゆる、「会社組織というものは、社員一人ひとりの調和、相互理解・協力があって初めて成り立つもの」という意味合いがそこに存在するわけです。
これまで、個々の企業は、組織全体のクオリティーを向上させ、確実に収益を上げるために様々な社員教育を実施してきました。社員教育、つまり、社内研修としてのプログラムは、大抵の場合、ビジネススキルを教えることを主眼としています。
特に、新入社員や若手社員を対象とするプログラムには、すぐに役立つビジネススキルとして、例えば、ビジネスマナー、話し方、コミュニケーションスキル、交渉・折衝スキル、営業スキルといったものがあります。
言うまでなく、日々の業務を滞りなく行い、短期的なスパンで確実に仕事の成果を上げるためには、まず第一に、通常業務を行うためのスキルを身に付ける必要があるでしょう。
しかし、たとえこのような"技術"としてのスキルがあったとしても、新入社員や若手社員がやがて中堅社員になったとき、単に技術としてのスキルがあるだけでは、「自分に任された部署を管理・統括し、会社組織の命運を背負う気持ちで自己の力量を発揮する」ということは難しいワザとなるでしょう。
私は、会社組織に属する人であるならば、どんな人でも、年齢・経験・役職にかかわらず、組織人としての何らかの「哲学」「理念」を持つべきだと考えます。
「哲学」「理念」というと、少々大袈裟な言葉になりますが、要するに、このことは、
(1)「私はこんな考えを持ってこの会社で働いている」とか、
(2)「私は会社の仕事を通してこんな風に社会に貢献したい」
という問題について自分自身で考え、それをきちんと整理しておくということです。
私が常日頃から若い世代の人々に感じることは、ただ毎月の給料をもらうために会社で働くのではなく、「私は"自分の夢"を実現するために今の仕事をしています」とはっきりと言える人になって欲しいということです。
誰にとっても、人生は一度だけです。その一度だけの人生において、ただ会社から給料をもらうためだけのために会社に通っているというのでは、"個人"として、一体何のためにこの世に「生」を受けたのかわかりません。"社会的存在者"である人間は、自身の人生を通して、コミュニティーや一般社会、ひいては国のために何らかの貢献をしてこそ、そこに"生きる意味"が生じるのだと思います。
このような意味で、私は、様々な企業で行われる社員研修においては、技術上の問題だけでなく、社会的存在者としての倫理観・価値観はもとより、幅広い視野に立って物事を見据えられる、しっかりとした教養・発想法を養うための研修をしていただきたいと願っています。
このところ、企業の不祥事が相次ぐ中、ますます企業の社会貢献が問われています。今、企業の経営者や幹部に求められることは、そうした時代の潮流を真摯に受け止め、「会社組織が若い世代の人材を一体どのように成長させていくべきか」という問題についてより真剣に取り組むことではないでしょうか。
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