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〜できる人が備える〜
「勝利のための発想法」


生井 利幸(なまい としゆき)

生井利幸事務所代表

明治大学大学院 法学研究科 公法学専攻 博士前期課程修了。
米ペンシルベニア州ラフィエット大学講師、
オランダ王国国立フローニンヘン大学法学部客員研究員等を歴任。
11年の海外生活において主にアメリカの大学で教鞭を執る一方、在ニューヨークの企業を中心に法務・経営・ビジネス戦略に関するコンサルティングを行う。
2003年、日本に帰国。現在、作家として多方面において執筆・講演等を行う。


Vol.43 メール送信は、時として、“爆弾投下”と化してしまう

読者の皆様、新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

新年を迎え、一体どんな内容のコラムを書こうかと考えておりましたが、
今回は、身近なことではあるが意外と注意を怠ってしまうこと、
本稿では、「仕事におけるメールのやり取り」について再考してみようと思います。

私自身、毎日、多くのメールを受信しますが、そのメールの中身も本当に様々です。
むろん、中に書いてある内容については人それぞれであることは当然と言えば当然のことですが、
中身それ自体はべつとして、仕事柄、個々のメールを読み、
「メールのマナー」についていつも何かを感じます。

一連のIT革命を経て、現在、日本の経済社会で働いているビジネスパーソンにおいて、
「仕事でメールを使うことはない」という人はまずいないでしょう。
メールは瞬時にして相手に業務上の連絡を伝えることができるのでとても便利ですが、
その便利さも、使い方を一つ間違えると、
「長年、丁寧に構築してきた人間関係をも一瞬にして大崩壊させる恐ろしさを秘めている」といえます。

一般に、ビジネスコミュニケーションにおいて言われていることは、
「本当に大切な用件については、相手と直接会って話をするか、
電話で話をするほうが間違いない」ということです。
その理由は、メールは確かに便利ですが、言葉の使い方や表現方法を誤ってしまうと、時として、
相手にとんでもない誤解を生じさせ、相手に対して不必要な不快感を与えたり、
長年にわたって苦労して築いてきた相互における信頼関係をも失ってしまうことがあるからです。

しかし、一方では、「大切な用件はメールのほうがいい」という考え方をする場合もあります。
例えば、ビジネスにおける詳しい条件や具体的な数字を相手に伝えるときには、口約束よりは、
メールでしっかりと文書にして相手に伝えたほうが間違いがありません。伝達事項を文書として
明記しておくことで、相互において何らかの誤解やトラブルが生じたとき、「言った・言わなかった」、
「聞いた・聞いてない」というような非理性的な喧嘩になることはまずありません。
万が一、どうしても相互理解を図れなかった場合においては、既に送信したメール、あるいは、
受信したメールそれ自体を“確かな証拠”として活用することもできます。

今、改めてメールについて考えてみると、
「これほど厄介なコミュニケーション・ツールはない」とも感じます。
再度、繰り返し述べますが、メールは確かに便利ですが、一つ使い方を間違えると、
非常に厄介な代物と化してしまいます。 ある意味において、この厄介な代物は
「人間関係を大崩壊させる“爆弾”」と解することもできるでしょう。

このたびは、新年を迎えるにあたり、改めて、毎日使っているこのメールについて考えてみました。
通常、ビジネスコミュニケーションを考えるとき、
私たちは対面交渉術にばかり気を取られてしまいますが、
実際においては、相手との“リアルな”コミュニケーションを図る前に、
“バーチャルな”コミュニケーションをメールで行っているわけです。

このような観点から“業務における実際”を考えると、毎日のビジネスシーンにおいては、
リアル・コミュニケーションだけでなく、
バーチャル・コミュニケーションも非常に重要な役割を果すものであるということが明らかになってきます。

もし、「メールは、それを書くときには相手の顔が見えない。
だから、要領よく適当に書けばそれでいい」と考えている人がいたら、恐らく、その人にとっては、
いつの日か、メール送信それ自体が“爆弾投下”と言えるほどの致命傷となる日が来るでしょう。

私たちは、仕事においてそのような致命傷を負わないためにも、
メールでコミュニケーションを図る際においては、
現在も、そして将来も、常に細心の注意を図ることを心掛けたいものです。





<生井 利幸講師のコラム バックナンバー>

VOL.42「謝罪の極意」
VOL.41「トイレでの会話が人の心を掴む」
VOL.40「打ち合わせにおける笑顔の意味」
VOL.39「労働の価値の重さ」

VOL.38「アメリカ人の方便、日本人の方便」

VOL.37 「‘忙しい’を言う? 言わない?」
VOL.36 「愛情あるコミュニケーションが、仕事のクオリティーを大きく変える」
VOL.35 「コミュニケーションと川の水の流れ」
VOL.34 「講演先での素晴らしい出会い」
VOL.33 「スピーチの達人は皆、"役者顔負けのパフォーマンス"で話を進める」
VOL.32 「緊張しない話し方の極意
VOL.31 「ニューヨークのビジネス社会は"人類愛"に満ちている
VOL.30 「東京都葛飾区の公開講座で感じる社会人受講生のパワー
VOL.29 「コミュニケーション力”・“哲学”・“心”の融合が、会社を大きく成長させる」
VOL.28 「"キャッチボール型の会話"をしていますか?」

VOL.27 「「個」を重要視する経営者の精神、個々の社員の精神」

VOL.26 「「哲学」「理念」を養う社員教育の必要性」

VOL.25 「地域社会発展の実現は「真心」にあり」

VOL.24 「コミュニケーションは一体何のためにあるのか?」

VOL.23 「人の顔の表情は、自分の顔の表情の顔である」

VOL.22 「ニューヨークでは、肌の色よりも<チャレンジ精神>が台頭する」
VOL.21 「話上手 グレート・コミュニケーターの本音」
VOL.20 「<裸の王様>になってはいけない」
VOL.19 「<哲学><コミュニケーション><ビジネス>における相関関係」
VOL.18 「<言葉の管理>に優れている人が信用を築く」

VOL.17 「堂々と客に啖呵を切る魚屋の<交渉術>」

VOL.16 「契約社会アメリカの実態は“交渉社会”である」
VOL.15 「経営者の心得・・・ビジネスの達人は“他人を泳がせる器量”を備えている」
VOL.14 「できる管理職は業務命令を下すのがうまい」

VOL.13 「トップライナーが駆使するビジネス・コミュニケーション術」

VOL.12 「一連のIT革命が癒した<負の遺産>」

VOL.11 「プロのエンターテイナーから学ぶ 自己表現を高める方法」

VOL.10 「セールスの達人は<1秒のリズム>で勝負する」
VOL.9 「経営者はCSRの執行者でなければならない」

VOL.8 「<お茶目な人>がビジネスを成功させる」

VOL.7 「給料は、貰うものか、それとも稼ぐものか?」
VOL.6 「日本人は常に<組織の名前>にしがみつく」
VOL.5 「スーツの買い方でわかる意思決定のスマートさ」
VOL.4 「勝ち組人生」とは?
VOL.3 「上司の力量次第で部下の仕事ぶりが決まる」
VOL.2 日本人がアメリカ人から学ぶべき「ビジネスにおける“心の余裕”」
VOL.1 「現実」を踏まえた上で一歩一歩確実に歩む人が、仕事人生を成功させる
 
 

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