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「武田VISION」

武田 美保(たけだ みほ)

アテネ五輪 シンクロナイズドスイミング 銀メダリスト

アテネ五輪で、立花美哉さんと、シンクロナイズドスイミング競技で銀メダルを獲得。
2001年の世界選手権では金メダルを獲得するなど、日本人メダリストの中では飛びぬけた数の5つのメダルを持ち、見事な演技力で常に世界を魅了してきた。

チーム競技ではチームリーダーに抜擢され、そのリーダシップ力、確かな技術力と豊かな表現力で、雰囲気を盛り上げるムードメーカーとしても活躍する。


Vol. 33 「自分発信」でムーブメントを起こすこと

新年あけましておめでとうございます。

今回の武田ビジョン。新年にふさわしいテーマを・・・と考えてみました。
現在、私は12月22日から『筋肉(マッスル)ミュージカル THE BEST』という舞台に出演させて頂いていますが、実は私、この舞台に約半年ぶりの復帰ということになります。今回、この舞台に復帰することで「チームでモチベーションアップを図る」というテーマが思い浮かびました。

新年は、気持ちを新たにできるタイミングの1つです。チーム単位(職場であれば部単位、学校であればクラス単位)でモチベーションアップを図る、いいタイミングかもしれません。
この、チーム全体のモチベーションアップはチームとしての能率や成果がアップするだけでなく、それがひいては個人の能力をもいつのまにか伸ばしていくことになると考え、今一度、仕切り直して取り組んでいってみてはどうだろうかというご提案をさせて頂ければと思いました。

半年のブランクの間、私はこの連載のバックナンバーにも書かせて頂いていた通り、多くの方のご協力の下、企業の講演の他、学校向けの講演である「学校キャラバン」で全国を飛び回ってお話をさせて頂いたり、松任谷由実さんのコンサートツアー「シャングリラ3」に出演したりという内容の活動をしておりました。

マッスルミュージカルの関係者の皆さん、スタッフの皆さん、メンバーの皆も半年という時間の流れは同じく、色々な経験をしてきたと聞いています。メンバーはラスベガス公演とツアーと渋谷のシアターの3班体制に別れ、それぞれの持ち場でそれぞれの思いを抱きながら舞台に立っていたようです。そしてそれぞれが舞台の成功を胸に誓いながら。その皆がこの冬公演で勢揃いしました。

リハーサルが始まり、当初はお互いの班の空気感の差があったりしたのか、やり方を探り合う部分もあったように感じますが、それは舞台初日が近づくにつれ消えて溶け合っていきました。また融合することとは逆に、人数が多くなった分、舞台への登場回数の争奪戦があり、これはいい意味での切磋琢磨になったように思います。ここで素晴らしいと私が感じたのが、その争奪戦のオーディションに落ちたメンバーは「落ちたからもういい」という考えにならず、引き続き練習を続けていることです。舞台の大きさには限度があるので立てないことは決まっていてもずっと練習を続けている。私自身、メンバーのその姿を目の当たりにして、「自分がもしいい加減に取り組んでいる姿をメンバーに見られたとしたらどう思うだろう?」と想像し、
絶対に力は抜けないという思いにかられました。そして、さらにこの半年間の変化で感動したことは、できないことや失敗したことに対して真剣に悔しがるメンバーの姿です。それはいい意味の連鎖を引き起こします。「だめだったなら僕が、私が・・・」とさらにやる気を引き起こさせる。また当然人数が多くいれば色んな考え方の持ち主はいるはずで、いわゆる「さぼり」という人もどこのチームにも一人か二人はいると思うのですが(かくいう私も、どちらかと言えば・・・)、このいい連鎖のお陰で「さぼり」の人が浮く雰囲気になるのです。さぼっていられなくなる。失敗を失敗のままでいいと思えなくなる。こういう作用が生まれてきます。

また、メンバー内で言葉が飛び交います。「もっとこうしようよ」と。現場の空気に違和感があるときは、ときにその発言や提案に「何出しゃばってるの?」とか「邪魔くさい」などを思う人、反発を露骨に態度に表す人などがいると思います。しかし、一丸になっているとき、モチベーションの高さが揃っているときは、その発言や提案はすーっと耳に入ってきて異論なく「やってみよう」「試してみよう」という雰囲気になります。また、やる気が本当にあるときは、実際に試してやってみても成功する率が高く、さらには上乗せして圧倒されるようなパワーまでもがその技に感じられます。その見えないパワーがとにかく素敵なのです。素敵さを自分も身につけたいと、またそれが個人単位での目標に変わっていきます。こう考えるとチーム全体のモチベーションが高いことの良さがなくてはならないもののように思えてくるのが不思議です。

職場や学校で足並みを揃える、全員のやる気を出す、「さぼり」が浮く、失敗を失敗のままで終わらせない…。このような環境を整えるのはそんなに短い期間でできるものではないかもしれません。暑苦しいほどのやる気と積極性をまずは自ら発信していくことが第一歩になるかもしれません。

自らやる気と積極性を発信することは、とても勇気のいることではありますが、必ずそれをどこかで見てくれている人がいます。まずは、その人を巻き込み、そして、その人が次の人を巻き込み…。この連鎖が、いずれはチームとなるのです。チーム自体が引き上がると、自力以上に個人を引き上がらせてくれることがわかります。このいい連鎖を巻き起こすムーブメントが密かに「自分発信」であれば最高に光栄なことだと思います。密かでも、見ている人はいるはずです。これが必ずまた自分に還元され、自力になり、それは評価としていずれ還ってくるでしょう。

今年一年、私もそのムーブメントになっていけるよう頑張る所存です。皆さん、共に頑張りましょう!






<武田 美保講師のコラム バックナンバー>

【武田VISION】

vol.32 他種目のオリンピック選手から学んだこと
vol.31 大人として必要なこと
vol.30 目標を持つことの大切さを再認識した夏
vol.29 表現者として私が目指すもの
vol.28 「学校向け講演キャラバン」のスタート
vol.27 「SHANGRILAV」〜活躍する人の共通項とは何か?
vol.26 「SHANGRILAV」〜心を開く

vol.25 「学校向け講演キャラバン」への想い

vol.24 世界水泳2007で考えた「個性」

vol.23 子供は社会を映す鏡

vol.22 想いを言葉にする

vol.21 2007年の抱負

vol.20 家族の大切さ

vol.19 自分らしさの追求

vol.18 セルフプロデュースV オンとオフの使い分け

vol.17 セルフプロデュースU モチベーションの維持
vol.16 セルフプロデュースT 目標達成までの自分の高め方
vol.15 マッスルミュージカル−<千秋楽>の感動
vol.14 マッスルミュージカル−舞台は人の関わりの結晶

vol.13 マッスルミュージカル−公演初日を迎えて

vol.12 マッスルミュージカルリハーサルスタート
vol.11 私が求める女性としてのライフスタイル(4) 家庭
vol.10 私が求める女性としてのライフスタイル(3) ウェイトコントロール
vol.9 私が求める女性としてのライフスタイル(2) ファッション
vol.8 私が求める女性としてのライフスタイル(1) 仕事
vol.7 コミュニケーション (3)チームワーク」
vol.6 コミュニケーション (2)対人折衝」
vol.5 コミュニケーション (1)上下関係」
vol.4 「シンクロと私〜引退から1年を迎えて〜」
vol.3 「<形><デザイン>について」
vol.2 「人の持つ<オーラ>について」
vol.1 「伝えるということ」

【夢のつづき】
vol.6 「ありがとう&夢のつづき」
vol.5 「新しい風」
vol.4 「世界1の意味」
vol.3 「デュエットパートナーとしての私」
vol.2 「世界への挑戦のスタート」
vol.1 「夢のはじまり」

 

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