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「魅力溢れる人間になるために」

木場弘子 (きばひろこ)

キャスター

1964年11月1日岡山市生まれ。千葉県出身。千葉大学教育学部を卒業後、1987年 TBSにアナウンサーとして入社。在局中はスポーツキャスターとして活躍し、「筑紫哲也ニュース23」など、多数のスポーツ番組を担当。
女性スポーツキャスターの草分けに。

1992年 中日ドラゴンズ与田剛投手(現在NHK解説者)との結婚を機に フリーランスに。翌年、キャスターをイメージした2本のCFに出演。1997年 TBSにて4年ぶりにテレビ復帰。

現在は妻、母、キャスターの三役をこなす存在として、テレビ出演、コーディネーター、講演や執筆活動など多忙な日々を過ごす。2001年より千葉大学教育学部非常勤講師に就任。 また、同年、千葉県浦安市の教育委員にも就任した。

Vol.4 『リアクション<大>のすすめ』

 自分で話をしていても乗っていける講演会とそうでない講演会がある。お客さんのリアクションに左右されると言ってもいい。のっけから弾んでいけるのは、女性のお客さんの多い場合。「女性セミナー」はまず大丈夫。さらに年齢層の高い50代以上の女性=おばちゃんが多ければ、間違いなく話す前から、乗っていける。

ステージに立った途端、満面の笑みで拍手。手を振る。名前を呼んで下さる。その後、お隣さんと感想の交換。話し始めた途端、笑いと拍手に包まれ、時に涙を流してくださる。

これが、男性の比率が高まるに連れ、リアクションが薄くなる。日本の年配の男性は「笑うのは恥ずかしい」とでも思っている節がある。日本人は表情の乏しさのせいで、以前から「感情が読めない」と海外の人から言われてきた。

「リアクションの難しさ」

 ところで、私がTBSで始めて担当したラジオ番組は落語家の三遊亭小遊三さんとの生ワイドだった。新人の私の最大の課題は笑い声。どういうことかと言うと、テレビは笑顔でリアクションすれば、「あっ、この人、楽しいんだ」と画面から伝わるが、ラジオはたとえ微笑んでいても、全くそれが見えないし、伝わらない。音にしなければ、リアクションゼロと同じなのである。

それで、「声を出してはっきり笑え」とディレクターから注文が出た。しかし、皆さんもやってみて欲しい。楽しそうに大声で笑うのって、結構難しい。私は3ヶ月ぐらい鏡の前で、練習した。そして、今日の「アハハハハ・・・・」という豪快な笑いを手に入れたわけだが、夫からは「うるさいすぎる」と注意を受けることもしばしば。

話を元に戻して、講演中、何百人というお客さんの中で、どこを見て話しているか。なるべく右見て、左見て、全員を見渡すようには気を配っているが、ついつい、視線はきちんと話をいいてくれる人の方へ。そこは人間、自然と頷きの大きい人に集中していってしまう。

うちの事務所の女性はとてもリアクションが大きい。打ち合わせ時、180円のカップコーヒーをご馳走しても、「いいんですか?ご馳走様でございます!」と手を合わせる。スタッフ皆で美味しいランチでも食べに行こうものなら、出てきた食事一つ一つに、まず目で「美味しそう〜」と訴え、その後、「これ、すんごく美味しいですね!こんなの始めて。」と大きな目が落ちるぐらい目を丸くしてリアクションする。すると、こちらも嬉しくなってしまう。

「頷きは相手への礼儀の表われ」

ある時は私が仕事上、納得できないことがあって、その理不尽さについて彼女に説明すると、ウンウンと上下頭を振って、聞き入ってくれる。すると、心が軽くなり、いつの間にかどんどん乗って話してしまう自分がいる。頷きは相手を肯定し、受け入れるという意思表示だ。これで救われた経験をお持ちの方も多いことだろう。

「私は今、貴方のいうことをわかろうと努力して聞いていますよ。」という証でもある。テレビや映画ならともかく、人間に対している時、それは最低限のマナーだと思う。決して、同調する必要はない。まず、しっかり相手の言うことを聞いて、それから、反論するならすればよいのだ。

周りの人によると、司会をしている時の私の頷きはすごいらしい。お客さんが聞きたいのはゲストの声。だから、ゲストのしゃべりとかぶらないよう、声を出さずに頷きだけで意思を伝える。かなり激しく首を上下させるので、息子に首が取れるんじゃないかと指摘されたこともある。しかし、それが「私はちゃんと聞いています」というアピールであり、礼儀である。

講演会の最後に必ず自叙伝を1冊プレゼントする。会場全員でじゃんけんをして、最後まで私に勝ち続けた人に宛名とサインをしてプレゼントするのだ。

これは多いに盛り上がる。しかし、ここでも不思議なことが起きる。男性が半分いたとしても、必ず女性が勝ち残る。しかも、90分の講演の中で何らかのリアクションを私に見せた人に当たるのだ。先日の講演では、ジャンケンをしますといった途端「いや〜ん。絶対欲しい!!」と言った女子大生が。その前は講演中に私の写真を撮っていたカメラマンで、「左の方が写りがいいので、左からお願いします」と冗談を飛ばした相手だ。その前は、冒頭「私より大きな子を産んだ人?(ちなみに長男は4,410g)」との問いに、会場でただ一人、4,460gの子を産んだと言われた女性が何と1,600人の中から勝ち残ったのだ・・・・。

念じれば通じる。何らかのリアクションを見せることが相手を受け入れ、相手の心を開くことになる。私などテレビドラマにも頷き、独り言を言っては家族からは不気味がられてはいるが・・・・・。

 



<木場弘子講師のコラム バックナンバー>
vol.3 「体験に無駄なし」
vol.2 「コミュニケーションの基本は信頼関係」
vol.1 「自分以上にはなれない」

 

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