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「働き盛りのメンタルタフネス」

岩井 結美子(いわい ゆみこ)

有限会社オフィスグレイス 代表取締役
産業カウンセラー/メイクセラピスト

健康事業(スポーツクラブの経営など)を手がける企業に勤務し、営業として活躍。
その後、カラーセラピストとしての活動をフリーランスで始める。
2000年 産業カウンセラー資格取得。
医療機関(心療内科)に心理カウンセラーとして勤務し、
相談業務や同院の人材教育を任される。
同時に、フリーランス活動で企業研修講師なども行う。
心療内科に通院していた女性患者にメイクをしたのがきっかけとなり、
現在力を注いでいる「メイクセラピー」を開発する。
2003年 オフィスグレイス開設。
2004年 名古屋モード学園の客員講師となる。
2005年 福岡ベルエポック美容専門学校の客員講師となる。
     NPO法人日本人材教育協会メイクセラピー検定事業部 
      エグゼクティブ・ディレクターに就任。
2006年 法人化。有限会社オフィスグレイス代表取締役に就任。



Vol. 3 「“休めない病”からの脱出」


 今回はメンタルタフネスを養うために必要な「切り離す経験」のお話です。皆さんの中には、自宅に持ち帰ってでも仕事をする人、自宅で仕事をしている方はワーキングタイムが一日12時間以上にもなっている人がいらっしゃると思います。仕事とプライベートを切り離せない状態、つまり“休めない病”になってはいませんか?仕事をしていないと落ち着かない、という状態のビジネスパーソンが増えています。これではメンタルタフネス以前にメンタルヘルス不全(心の健康を害すこと)になりかねません。“切り離す”ということは、休むことによって本来のパフォーマンスを発揮・維持することにつながり、健やかにビジネスライフを送るためには欠かせないセルフマネジメントスキルです。

  ところで皆さんは、一日平均何時間くらい寝ていますか?6時間以下の方は、よほどショートスリーパーでない限り、睡眠時間が足りていないでしょう。もっと寝てください。睡眠時間が少ない方の傾向として、次の3つのパターンが考えられるかと思います。

  (1)仕事している以外の時間が少ないのに、睡眠時間に費やしてはもったいない
  (2)寝れるものなら寝たいが仕事が忙しく寝ている時間がない(睡眠時間を削って仕事するしかない)
  (3)ベットに入っても眠れない、すぐに起きてしまう

  (3)の方で、この状態が1週間以上続いているなら、メンタルタフネス以前にメンタルヘスル不全に陥っている可能性がありますので、すぐに心療内科に受診ください(心療内科に抵抗がある方は内科でもかまいません。健康診断のつもりで受診してみてください)。

  さて、(1)の方は寝ずにいることで自分のやりたいことができており、その“もったいない”と思う気持ちが満たされてバランスが取れているのであればよいのですが、疲労感があるようでしたら要注意です。(1)、(2)ともに、仕事をする時間を短くできるような工夫が必要です。同僚や部下、家族、友人など、頼れる人には頼んで、時には思い切って任せてみることで、自分の時間を増やしていくことにも真剣に取り組んでいいただきたいです。望ましいのは、休みの日などの空いた時間に自分のやりたいことができており、なおかつ、睡眠時間も確保できている状態です。

  なぜ、睡眠、睡眠、と口を酸っぱく言うかと言いますと、寝ないこと(睡眠不足)によって心身に様々な悪影響が起きるからです。睡眠は体の疲れを取り、脳の情報処理をしてくれます。寝ないことでこれが行われないと「疲労」という状態が始まるわけです。よく「私(僕)は心が弱いからマイナス思考になってしまう」と耳にしますが、心が弱いから後ろ向きになるのではなく、体が疲れていることによって頭の回転が鈍くなり、情報処理が遅くなったり、同じことをぐるぐる考えてしまうのです。もちろん、ストレスなどから精神の調子を崩して体の疲れが引き起こされることもありますが、実は精神はそれほど疲れていないのに体が疲れていることで思考に影響する、ということがあるのです。思考が後ろ向きになり決断力が鈍くなったりすると自分を責めたり落ち込んだりします。それが自分の心の弱さだと思いこむこと自体がストレスな状態へと引きずり込みうつが発症する、というスパイラスに陥ってほしくはありません。

  私はメンタルヘルス・タフネスの講演や研修で受講者の方に必ずお伝えしていることがあります。それは、「休むのも仕事です」ということです。あなたが上手くいっていないのは、休んでいないことで引き起こされているスパイラルにはまっているだけなのかもしれません。勇気を出して、休んでみてください。それは、睡眠でもいいですし、ちょっとした休息時間をもつことでもOKです。睡眠であれば、6〜8時間以上寝てください。よく寝溜めはできない、と言いますが、明日から頑張るために寝るのではなくて、今日まで頑張ってきたから寝るのです。心身の疲れを取るための睡眠(休憩)です。忙しい毎日から切り離す時間を積極的につくりだしてください。長時間、眠る日を定期的につくるのもよし、一日の平均睡眠時間を増やすのもよし。メンテナンス上手にならなければ今後コラムでご紹介する「突破する経験」を踏んでいただくための力が出てこないでしょうから是非、一休みしてください。

  車でも、スポーツの道具でも、たまには休ませて手入れをしないと長持ちしないのと同じです。自分を丁寧に扱ってあげてください。まずは騙されたと思って(またこれですが(笑))、お休みしてください。今までよりも自分が上手く機能し出すことに気づくことでしょう。


<岩井 結美子講師のコラム バックナンバー>

Vol. 2 「心の声を聴く」
Vol. 1 「心を強くするということ」



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