川村 透のコラム「もののみかたを変えてみませんか?」
川村 透(かわむら とおる)
新しいものの見方提案/モチベーティブ・スピーカー/自信の湧く講師
外資系コンサルティング会社に7年勤務。「自分にしかできないことをやってみよう」と退職し、2000年7月に独立。現在は、「もののみかた」「モチベーション」を切り口とした講演やセミナー、本の翻訳および執筆活動に日夜奮闘中。
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Vol. 20 『不便さの解消×新たな価値』
(2009年05月07日)
先日、ある印刷関係の企業でセミナーを実施したのですが、その企業では、印刷関連業務のほかに、とてもユニークな美術館を運営されていました。「複製画専門の美術館」です。
「えっ複製だって?ニセモノだろ?本物を観ないと意味ないよ」と思われた皆さん。
では、もし世界の名画の本物をすべて見ようと思ったら?海外にちらばる美術館に時間をお金をかけて赴き(あるいは絵が日本で展示されるときを待ち)、列に並んで、やっと目の前にきたと思ったら、暗い照明の元、後ろの人に押されたりしてゆっくりと観れない...そんなシーンが思い浮かびませんか。
こちらの美術館は日本画や掛軸が中心ですが、ここでは、特殊なデジタル技術を駆使して、質感など本物に近い形で再現されている高度な複製画が、一堂に展示されています。
「でも、絵は本物を見てナンボだろ?」まだそう思っていますね。そりゃ、もちろん本物がいいに決まっています。でも、この複製美術館では、(1)日本中に散在している名画が一箇所で見れ、(2)照明も明るく、(3)手でさわってもよく、(4)後ろの人に押されることもなくじっくりと鑑賞できる。このように複製画には複製画のメリットがあるのです。
もちろん、これまで「複製画」のことは知っていましたが、こうしてたくさんの複製画をまとめて「複製画専門の美術館」としたコンセプトを見せられたとき、はじめて「複製=価値がない」という固定概念が「複製=別の価値がある」という見方に変わったのです。
⇒「ものの見方」のココがポイント!
1.本物を鑑賞する際の不便さ(観れる機会の少なさ、見る環境)を解決している
⇒『不便さの解消』
2.本物と競合せず、あえて「複製専門」とうたうことで、新しい価値が生まれる
(一箇所で、ゆっくり観れる。本物への興味のきっかけ)
⇒『新たな価値』
この例が、たとえばゴルフバー。スクリーンにコースが映し出され、クラブを振るとあたかもボールが飛んで行くように見え、コースを疑似体験できるものですが、いまや合コンやデートでの人気スポット。これもこの切り口で説明ができます。
1.本物のゴルフコースに行く面倒さ(用具をそろえ、ゴルフ場まで移動)を解決
⇒『不便さの解消』
2.本来のゴルフではなく、ビリヤードやダーツバーと同じように、ゴルフをしながら飲んで楽しむという新しいエンターテイメントを創造
⇒『新たな価値』
このように、身の回りで「本当は本物がいいんだけど、それをするには、お金がなあ、時間がなあ・・・」というものに「不便さの解消×新たな価値」という見方をはめれば、新しいビジネスチャンスが生まれるかもしれません。覚えておくと使える見方のフレームです。