川村 透のコラム「もののみかたを変えてみませんか?」
川村 透(かわむら とおる)
新しいものの見方提案/モチベーティブ・スピーカー/自信の湧く講師
外資系コンサルティング会社に7年勤務。「自分にしかできないことをやってみよう」と退職し、2000年7月に独立。現在は、「もののみかた」「モチベーション」を切り口とした講演やセミナー、本の翻訳および執筆活動に日夜奮闘中。
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Vol. 22 『ゴールの先を見せる会話』
(2009年07月03日)
ある上司と部下との会話です。
「鈴木君、今月の売上目標は?」
「はい、一千万です」
「よし、いいぞ。じゃ、どうしたらそれができる?」
「はい、テレアポの件数を2倍にして、過去のリストを洗い直します」
「うむ。本気になればきっとできる。頑張りたまえ」
・・・まあ、ここまでクラシカルでないにしても、これに近い古典的なやりとりをしている方も多いのでは。この会話は、部下に手順を自分で確認させており、一見よさそうに見えますが、できればあとひとつ突っ込みが欲しい。それが「ゴールの先をイメージさせる問いかけ」です。
人は相手からの問いかけで、頭に描く絵が変わります。そういえば私、昨日、ピンクのマウスを発見し、衝動買いしてしまいました・・・。皆さん、いま、おそらく「ピンクのマウス」を想像したはずです(すみません、実際には買いませんでしたが)。言葉は相手のイメージ脳に直接働きかけるのです。先ほどの会話では、部下の鈴木君に、手順をイメージさせてはいますが、目標をクリアできたとき、どうなっているかについては一切ふれていません。
実は私(今度は本当の話)、先週、ある車のディーラーにいって試乗してきたのですが、買い換える予定などなかったその車をどうしても欲しくなってしまいました。それは五感を通じて、その車を運転している自分が、とてもリアルにイメージできるからです。パッと見のデザイン、皮シートの匂い、ハンドルのさわりごこち、エンジンの音・・・ああ、もうたまりません(笑)。
もちろん、車のように簡単にはいきませんが、部下にとって会社や組織の目標とは、ある意味他人事。ただ責任感でこなす人が多い。そこを、上司がちょっと工夫して、そのゴールをリフォーマットして、「これを達成したら君にとってこんなメリットがある」という絵をイメージさせてあげられたら?きっと部下は、言われなくても自分でどんどん動いていくでしょう。
「売上一千万。もしできたら、どんな気分だろうか?」
「何がうまくいったらそれが達成できると思う?」
「それをやることで、どんな力がつくだろうね」
部下がイメージできなかったら、上司のあなたが言葉にしてあげてもいいでしょう。
「その目標をクリアしたこれまでの先輩は、翌年店長に昇進しているよ」
「きっと、相手に提案する力が身につく。
それはこれからのキャリアに絶対活きるよ」
「どうしたらそれができるか」 を 「それができたらどうなるか」 に変える。
相手の視点を変えるのも、上司のあなたの仕事です。