川村 透のコラム「もののみかたを変えてみませんか?」
川村 透(かわむら とおる)
新しいものの見方提案/モチベーティブ・スピーカー/自信の湧く講師
外資系コンサルティング会社に7年勤務。「自分にしかできないことをやってみよう」と退職し、2000年7月に独立。現在は、「もののみかた」「モチベーション」を切り口とした講演やセミナー、本の翻訳および執筆活動に日夜奮闘中。
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Vol. 32 『失敗がプラスに評価されるシリコンバレー』
(2010年04月30日)
先日、アメリカのシリコンバレーから一時帰国している日本人のAさんと話す機会がありました。彼は日本のあるビジネスモデルをアメリカでスタートしようとしており、資金調達の話にも明るい。そこで、かねてから疑問だったことを投げかけてみました。
「ねえAさん、シリコンバレーでは、一度事業に失敗した社長と新たに事業を始める人とでは、どっちが信用があるの?」
「もちろん、一度失敗した社長ですよ。」
うーむ、やはり噂は正しかった。一度失敗していれば、そこから学んで今度はうまくやるだろうというのが彼らの理屈。日本だと「一度失敗した奴は信用がおけない」となるわけで、まったく正反対です。
もちろん、これには資金調達方法が違うせいもある。アメリカでは、よい事業プランには、エンジェル自ら出資責任を負うので、万が一失敗しても資金を返す責任がない。かたや日本では、カネを借りるときには住宅を担保にとられ、失敗したら信用を失い、失敗者の烙印を押され、復活は困難です。だから慎重にならざるを得ない。
失敗は評価の対象――もちろん、これはアメリカ人の未来志向、楽天的な文化もあると思いますが、それだけではない。それは、失敗の中からでも、プラスを切り取ろうとする彼らの貪欲さ。失ったものではなく、得たものを探そうとする意識です。
私たち日本人の中には、自分の不始末は自ら責任を負う、わかりやすく言えば切腹の美徳みたいなものが、とうとうと流れているんでしょうね。つまり、責任を取らないことは逃げだというもの。ほら、どうしても過去のことに目が入ってしまう・・・。でも、これでは失敗のプラス面は見えてきません。
いまの日本では、この「失敗を評価する」価値観は、まだ浸透していない感があります。破綻した大手航空会社の再生に、会社をつぶした経営者が就任するという案はきっと通らないでしょうから。でも、いつか失敗は評価される時代がやってくると信じています。
いま私たちにできるのは、失敗しても、周りのプレッシャーに負けず、得たもの、将来に活かせること、それをきっかけに描ける逆転ストーリーを考えること。失敗をプラスに変えられるのは、自分のものの見方です。
私のセミナーでは、「失敗のメリット」を3分でいくつ挙げられるか?をよくやります。10個あがる人、1つしか思いつかない人・・・。あなたはいかがですか?
失敗のメリット(例)
・ チームワークが生まれる
・ 体験談で人を勇気づけることができる
・ 自分のジョークのネタがふえる
・ 強くなれる
・ 人の気持ちがわかる