川村 透のコラム「もののみかたを変えてみませんか?」
川村 透(かわむら とおる)
新しいものの見方提案/モチベーティブ・スピーカー/自信の湧く講師
外資系コンサルティング会社に7年勤務。「自分にしかできないことをやってみよう」と退職し、2000年7月に独立。現在は、「もののみかた」「モチベーション」を切り口とした講演やセミナー、本の翻訳および執筆活動に日夜奮闘中。
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Vol. 33 『チーム・ビルディングとチーム』
(2010年06月04日)
先日、ある人からこんな質問を受けました。
「チームビルディングとチームって何が違うのでしょうか」
いい質問ですね。まず、チームとは、単なる人の集まりであるグループとは違います。次のように定義することができます。
「同じ枠組みを共有し、協働する意欲を持ち、かつ意図や行動がうまく調整されている集団のこと」(※1)
ですから、たとえば旅行のツアーの一行などは、一緒に観光地を見ようという枠組みは共有していますが、協働して何かを成し遂げるという意欲はないので、チームとは言えません。
では、人は集まれば即チームとして機能するのでしょうか。いいえ、そうではありません。学校でのクラス替え初日のように、最初は必ず独特の緊張感があります。どんな人なのか、自分の身に危険が及ばないか、距離を置きながら調べているのですね。やがて、だんだんとなれてくるにつれ、相手の人となりもわかり(もちろん好き嫌いもありますが)、ようやく一緒に働いてもいいかな、という気になるのです。これが関係性づくりです。こうなってはじめてチームとして機能しはじめるのです。しかし、このプロセスには通常時間がかかります。そこで、できるだけ短期間に人同士を入り混ぜて、あらかじめポイントをおさえたゲームや協働体験をしながら関係をつくろうというのがチームビルディング。言い換えれば「人の集まりが、チームとして機能するために、お互いの関係づくりを早める方法」なのです。
先のチームの定義に照らしてみると、実際は、会社にビジョンやミッションがあり、その部署のゴール(今月の売上目標)などが決められているので、一見、同じ枠組みを共有しているように見えますが、これは共有ではなく"強制"(残念ながら)、つまり仕方なくやっている場合がほとんどです。そして、2つ目の「協働する意欲」ですが、これは関係性づくりがしっかりできていないと、「こいつと一緒に頑張ろう」という気持ちがわいてきません。本当はイヤでも、仕事だから仕方なくやっている人が多い。これでは1+1≧2という有機的なチームとして機能するわけはありません。
多くの企業では、この関係性づくりをとばしていきなりミッションを提示し、ゴールを設定し、プロセスを押し付けるので、チームとしての力が発揮されません。もったいないことです。あまり結果の出ていないチームがあったら、その責任をメンバーに押し付けるのではなく、一度チームの仕組みを見直して見る必要があるかもしれません。
さて、皆さんの組織は関係性づくりがしっかりできていますか。1+1≧2の成果を生み出していますか。大切な人材にチームとして機能してもらうためには、この関係性づくり、すなわち「チーム・ビルディング」のプロセスが極めて大切なのです。
※1:参考文献 チームビルディング~人と人を「つなぐ」技法 日本経済新聞出版社