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川村 透のコラム「もののみかたを変えてみませんか?」
川村 透
川村 透(かわむら とおる)
新しいものの見方提案/モチベーティブ・スピーカー/自信の湧く講師

外資系コンサルティング会社に7年勤務。「自分にしかできないことをやってみよう」と退職し、2000年7月に独立。現在は、「もののみかた」「モチベーション」を切り口とした講演やセミナー、本の翻訳および執筆活動に日夜奮闘中。

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Vol. 53 『責任感は習慣である』
(2012年02月03日)
責任感は習慣として身につくものでしょうか。

3月に出版予定のマネジメントリーダーの本(現在翻訳中)の中に、責任感を部下にもたせるための方法、というくだりがあります。その方法のひとつとして、リーダーによる現場への「突然の訪問」というのがありました。つまり、事前の予告なく、急に現場を訪問し、きちんと仕事をこなしているかどうか、困っていることはないかを聞いて回るのです。

責任感を持ってもらうためには「進捗報告ミーティング」とか「パフォーマンスレビュー」など、さまざまなアイデアがありますが、どれも、あらかじめ実施日が予定されているものがほとんど。人は、「チェックされる」とわかった瞬間から、演技をはじめます。その日に向けて、聞こえのよい目標や想定問答を考え、その日が近づくと、いい子になったフリをしだします。そして、上司とのミーティングが終わると、また元に戻ってしまうのです。これでは、その人の実態がつかめません。その点、この「突然の訪問」というのは、いつ上司が現場にチェックにくるかもわからないので、毎日手が抜けません。つまり、無言のプレッシャーをかけ続けるわけですが、そうやって毎日、仕方なく、きちんと仕事をこなしているうちに、やがてそれが当たり前になる、すなわち習慣化する、というのが著者の考え方でした。

はじめ、これをみたとき、「これって、人の自主性を信じていないのでは?」と思ったのですが、実際問題としてみると、組織ともなれば人の数も増えるし、どうしても、見られていないところでは、手を抜こうと思う人は必ずいます。なので、このように「最初は半強制的にそうせざるを得ない環境を作り、やがてそれが習慣化する」という手法は、案外的を得ているような気がします。もちろん、理想的には、「部下を信じて任せ、監視は必要ない」というのがいいに決まっていますが。

この「目にみえないプレッシャーをかけ続ける」という方法は、日常でも良く使われます。警察のネズミ捕り(スピード違反検挙)もそうですね。道路の陰にこっそり隠れ、抜き打ちでスピードをチェックされて捕まると、「ずるい!」と思うのですが、次からは、「おっ、ここはネズミ捕りやってそうだから減速しよう」と、本来あるべき動機(安全のために法定速度を守ろう)ではないにせよ、減速するという行為は実行するわけです。そうしているうちに、やがてそのスピードに体が慣れていくのですね。

最近、学校などでやる非難訓練も、抜き打ちにしようかという案が出ているようです。たしかに、あらかじめ決まっている日にやっても、自分の経験からしても、あまり効果がないように思います。

皆さんの職場でも、「責任感の抜き打ちチェック」、やってみますか?




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