奥村 幸治のコラム「目標達成のセルフマネジメント」
奥村 幸治(おくむら こうじ)
パーソナルトレーナー
1994年イチロー選手の専属打撃投手を務め"イチローの恋人"としてマスコミに紹介され、話題の人となる。現在 パーソナルトレーナーの傍ら、少年野球チームの監督、NPO法人ベースボールスピリッツの理事を務める。
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Vol. 7 『メジャーの指導者の考え方』
(2008年10月15日)
今回は、vol.5で書いた、メジャーの選手達の考え方を支える、
「指導者の考え方」を紹介します。
まず、メジャーでは監督・コーチの意識は日本とまったく違います。
例えば、日本の場合、監督・コーチがある選手のピッチングや、
バッティングフォームを見て、「もっとこうしなさい。こうしたら良くなる。」と、
基本的には技術的なことを細かくアドバイスします。
しかし、メジャーリーグの場合、監督・コーチは口をそろえてこう言います。
「自分のことは自分が一番よく分かっているから、
まず、それを伝えてくれないとわからないよ」と。
これは野茂さんと吉井さんからも聞いた話です。
メジャーでのこの発言はどういうことかというと、
選手のことを聞き出すというコーチングの意識の高さが違うのです。
元々、メジャーには色々な国の選手が集まっているので、
選手各々の個性や自主性に任せる事が実質的に必要な環境かもしれませんが、
選手自身はちゃんと自分に向き合い、自分に合った練習の仕方や
試合への向き合い方を考え、結果を出さねばならない環境がそこにはあります。
選手が自分のやるべき事をしっかりと認識しているのには、
そういった監督のコーチングの意識が根底にあるからとも言うことが出来ます。
選手の自主性と監督のコーチング。これが良い関係で成り立っているんですね。
また選手の自主性を支える意識の高さは、メジャーリーグの仕組みにもあります。
例えば、僕がメジャーリーグのキャンプで驚いたことの一つに、
1A(※)の選手がメジャーリーガー達と、 同じ環境で練習をしていたことです。
(※メジャーリーグは、メジャーリーグの下に3A、2A、1Aの順に組織構成されている。)
グラウンドをメジャーリーガーが使用していると、
1Aの選手(20才以下の選手がほとんどのチーム)は
監督・コーチの話を体育座りで、ノートとペンを持ち、
ミーティングを受けている姿があります。
グラウンドで練習ができるようになると、
軍隊のように整列して号令をかけて走っていく。
プロの選手達であるというのに、まさしく日本でいう高校野球です。
日本では、ドラフト1位の選手がオープン戦で結果を出していれば、
開幕から1軍にいることが多いのですが、メジャーリーグでは1年目から
メジャーの選手になる事はまずありません。
ドラフト1位である選手はメジャーの選手と一緒に練習をしてはいますが、
オープン戦で良い結果を出していたとしても、最初は必ず1Aに落とされるそうです。
つまり、メジャーでは組織の1番下である1Aから、
自分の力で這い上がってくるような環境がつくられています。
ハングリーな気持ちをもって、1Aから2A、2Aから3A、
そしてメジャーリーガーに成長を遂げる仕組みがあるのです。
この環境、考え方は、メジャーのどこのチームも同じであると聞きました。
選手の自主性とハングリー精神、そして指導者のコーチングの意識の高さ。
チームや組織として良い結果を出すためのヒントがここにあると僕は思います。